咀嚼と脳の関係について、お話ししましょう。
赤ちゃんの脳の発達って、ものすごく急ピッチなのをご存じでしょうか。
赤ちゃんの脳の発達は、1か月で大人の10年分にも相当するといわれているのです。
そして3歳までに成人の80%、6歳までには90%の脳組織が出来上がってしまうというのです。
この時期、人間の社会に適応するための膨大な情報が赤ちゃんの脳に入ってきて、驚くほどのスピードで神経回路がつながっているのでしょう。
そこで、こんな注意が必要です。
赤ちゃんというのは、歯が生え揃ってくると、なんでも口に入れて「カミカミ」しようとします。
どんなものでも噛んで確かめるように、お口に入れてしまいます。 神経質なお母さんは「汚いからダメ!」と止めてしまうのですが、これは赤ちゃんの脳の発達のために必要な行動です。
噛む刺激によって脳へたくさんの血液を送ろうとしているのですから、止めてはいけません。
最近は、硬いものは嫌い、というお子さんが増えました。
しかし乳幼児のころに自由にカミカミさせて、よく噛むことを自然に覚えておけば、たとえ食事に食べ慣れない硬いものが出てもイヤがらずに食べられるようになります。
それは毎日毎日、脳への血流量を増やし、脳の発達につながります。
「三つ子の魂、百まで」、最初が肝心ですね。
次回は『虫歯の進行と治療』というテーマでお話ししていきます。