細菌性心内膜炎

●心臓が心配な人は歯科治療、歯周病に要注意

心臓に持病を持っている人は、歯科治療には注意しなければいけない、ということをご存じでしょうか。

 

お口にひそむ細菌が抜歯などの歯科治療によって血液中に入り込み、「細菌性心内膜炎」という心臓の病気を起こす危険があるからです。

 

このため、先天性心疾患や心臓弁膜症などの心臓病の経験がある人など、細菌性心内膜炎の危険がある人は、必ず予防薬などの対策が取られます。

 

心臓の手術をした人、治療中の人はもちろんですが、過去に心臓の病歴のある人は歯科治療を受ける前に必ずそのことを歯科医に伝えるようにしましょう。

 

●細菌性心内膜炎の症状と治療

細菌性心内膜炎の症状は、カゼに似ています。

 

最初は微熱が出て、やがて治まりますが、すぐにまた熱が上がります。

 

それをくり返すうちに心臓の組織がおかされてくると、息切れ、呼吸困難、むくみなどの心臓病の症状が現れてきます。

 

エコーなどによる精密検査を早めに受け、診断が確定したら抗生物質で治療を行います。

 

長引いて重症化すると、手術が必要になることもあります。

 

細菌性心内膜炎を起こすと、あとあと脳梗塞などの合併症を起こしやすいので、やはり早期発見・早期治療が大切です。

 

●細菌性心内膜炎が起こる仕組み

 心臓には、動脈用と静脈用に二つずつ、四つの部屋があります。

 

その各部屋に、いつもたくさんの血液が流れています。

 

その流れが拍動の乱れなどで急に強くなったりすると、心臓の内側の膜(内膜)に小さな傷がついてしまうことがあります。

 

傷ができると、そこを治そうとして、血液中に含まれる血小板などが集まって小さなカサブタのような組織をつくります。

 

そこに、お口から体に入った細菌がくっつくのです。

 

お口の中には、いつも数千億もの細菌がいるといわれています。

 

いかに口腔衛生を心がけていても、それは変わりません。

 

歯科治療によって、その細菌が血液中に侵入する可能性もあります。

 

歯周病でも同様です。血液中に侵入した細菌は、たった1分で全身をめぐり、もちろん心臓も通過します。

 

このとき心臓の内部にカサブタ状の組織があると、お口の細菌がそこにくっついて増殖し、炎症を起こしてしまいます。

 

やがて心内膜の表面がイボのようにふくらんできて、全身的な感染症状を引き起こすこともあります。

  

次回は『動脈硬化』についてお話ししていきます。