STEP1 キシリトールガムを噛む

食事が終わったら、次の行動の前に「つるつるハミガキ法」を始めましょう。

食後、最初にやることは「キシリトール(できれば100%)ガムを噛む」ことです。

 

キシリトールは砂糖のように甘い甘味料ですが、虫歯菌のエサにはなりません(血糖値も上げません)。

むしろ虫歯菌の増殖を抑えてくれます。

小さな虫歯などがあれば再石灰化を促して修復してくれるので、一挙両得です。

 

また、ガムを噛むことでハミガキにも役立ちます。

ガムをしっかり噛むと、歯と歯のあいだに挟まったものも意外によく取れるものです。

さらに良いのが、ガムを噛むことによって唾液がたくさん分泌されるということです。

 

お口の中には三つの大きな唾液腺がありますが、ガムを噛むことによって、それ以外の小さな唾液腺も刺激されて、よりたくさんの唾液が出るのです。

 

唾液は口腔衛生には欠かせない、とても大切な味方です。

唾液が出にくいドライマウスの人は虫歯や歯周病になりやすいことがわかっています。

唾液は消化酵素も含んでいるので、食べたものの消化吸収にも役立ちます。

 

食後に時間がないなどやむをえない場合には、この「キシリトールガムを噛む」だけでも、何もしないよりはよいので、ぜひ食後の習慣にしてみてください。

 

外食したときは、家やオフィスに戻るあいだにガムをよく噛んで、戻ったら次のSTEPに進む、というやり方はいかがでしょう。

 

 

ただし、ガムもすべてよいことばかりではありません。ガムを噛むことによって、いわゆる「差し歯」や「詰め物」が取れてしまう可能性があります。

あるいは、ガムを噛んでいると唾液に空気が混ざって泡状になるので、胃腸に空気がたまってしまう、ということを気にされる方もいます。

 

 

キシリトールの量が多くなるため、当院では2粒ずつ噛むことをお勧めしています。もちろん、1粒でもかまいません。

 

噛み方はとくにありませんが、できるだけ左右まんべんなく、全体の歯で噛むようにします。

甘く感じられるのがキシリトールですから、その甘みが歯全体にまんべんなく行きわたるように噛みましょう。

 

前歯はふだんあまり使われないので、ときどき前歯でも噛んでみます。

噛む刺激(力)が歯周組織に加わって、血液循環が良くなることもガムの効用の一つなのです。

 

歯科専用のキシリトールガムは、すぐに味がなくなってしまいます。味がまったくなくなったら、終わりでいいでしょう。

もちろん、差し支えなければ、いつまで噛んでいてもかまいません。

 

ただし、「つるつるハミガキ法」は、まだ始まったばかりです!

 

次回もお楽しみに!